穏やかな運転を行うことで、エコドライブが可能です。
そして、穏やかな運転とは、トラックで道路を安全に走行することです。
自動車用燃料(軽油)の消費量
平成21年度における自動車全体の軽油消費量は約2,723万キロリットルですが、トラック運送業界ではそのうちの約6割を占める約1,574万キロリットルを消費しています。
地球資源保護の観点からも、業界の消費量節減への取組みが大きな課題となっています。
事故防止
エコドライブの基本は、穏やかな運転に徹することです。
すなわち、急発進、急停止を避けるだけでなく、発進・停止回数そのものを抑えるための先を見越した予知運転をすることで、これが事故防止、とりわけ追突事故の防止に大きく役立つことがわかっています。
追突事故は、事業用貨物自動車がかかわる事故の5割を占めていることから、この防止が大きな課題となっています。
エコドライブにより事故を未然に防止できれば、事故そのものだけでなくその処理にかかる損失や費用の削減にもつながります。
大きなウエイトを占める燃料費
トラック運送事業の経営面で燃料費は、人件費に次いで占める割合の大きな経費で、燃料コストの削減が経営上の大きな課題でもあります。
エコドライブの徹底により環境対策の貢献だけでなく、コスト削減などの経営上のメリットも期待できることから、エコドライブに積極的に取り組む事業者も増えています。
車両・部品などの耐久性向上
エコドライブにより普段から穏やかな運転に徹することで、エンジンの回転数は全般に低く抑えられることになり、その結果として、エンジンの傷みが軽減され、さらに、タイヤ、ブレーキライニング、オイルなどの部品や消耗品などの磨耗や傷みも抑えることが可能となります。
このように、エコドライブは車両や部品の維持や耐久性向上にも役立つことになります。
エコドライブの進め方
エコドライブを進めるためには、まず経営トップの方針決定から始まり、実績の評価とフォローアップまで、次のような流れの中で、管理体制や仕組みを整備していきます。
1、経営者によるエコドライブ推進の方針決定
2、エコドライブ推進体制の確立
・推進組織の設置
・推進責任者の選任
・推進担当者の選任
3、具体的な推進目標の設定
・全社目標
・個別目標(車両・グループ・事業所ごと)
4、エコドライブの推進
・日常のドライバーの指導方法
運行記録計がある場合
運行記録計がない場合
・エコドライブ研修会への参加
・グループ活動によるエコドライブの推進
・エコドライブ運転指導者による添乗指導
5、燃費実績の収集、分析
・車両ごと・月ごと・年ごとの実績の把握と目標との対比
6、評価制度の実施
経営トップによる方針決定
エコドライブの導入にあたってまず重要なのは、経営のトップ自らがエコドライブの必要性や効果などについて十分理解して、全社を挙げてこれに取り組むという方針を明確に打ち出すことです。
エコドライブは、単に省エネ運転の励行といった漠然とした考え方ではなかなか定着しないものです。
つまり、実際のエコドライブの実施にあたっては、管理者やドライバーの理解や協力が必要ですし、自社に合致した仕組みづくりのためには、管理者などの積極的な行動が必要不可欠になります。
特に、取組みの初期段階では管理体制の整備や教育指導などで、従業者には役割に応じたそれなりの負担が生じてきます。
ここでポイントとなるのは、このエコドライブを自社の利益確保のみを目的にしたものでなく、環境対策や経営改善の一環として実施するとともに、社会的要請でもあることを明確に位置付けておくことです。
社内体制づくり
次に、重要なのが取組み体制の整備です。
導入後もドライバーヘの指導や実績の評価などのフォローアップが重要であり、そのための組織体制や仕組みづくりが必要となります。
そこで、まずエコドライブを導入・推進するための責任者を決め、さらに推進組織やグループに推進担当者などを置くことができれば理想といえます。
まずしっかりした組織・役割を構成しましょう。
再三になりますが、エコドライブは安全運転に繋がります。
ドライバーはもちろん、地域住民にとっても、トラックの事故の無い安全な走行はとても安心するものです。
トラックで安全にエコドライブを行いましょう。
引用参考 エコドライブ推進マニュアル