トラックを日常的にきちんと管理することによって、安心して安全運転を行うことができます。

トラックの日常管理の詳しい方法を一緒に確認していきましょう。

トラックドライバーの皆さんは、きちんと管理できているか見直してみましょう。

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道路運送車両法で義務づけられている自動車の日常点検整備及び貨物自動車運送事業法で義務づけられている点呼について、要点を取りまとめました。

内容は、

①日常の点検・管理

②車両の点検不良による事故事例

③点呼の実施

の3つの基本を中心に構成しています。

日常点検の必要性

事業用自動車の場合、ひとたび車両故障やそれがもとで交通事故などが起きると、社会的に大きな影響を及ぼすことがあります。

そのため、日常点検の実施が法律で義務づけられているのです。

1日の運転を安全に行うためには、運行を開始する前に車両に異状がないか確認することが必要です。

日常点検をしっかり行うことで、走行中のトラブルを未然に防止することもできるので、面倒がったり、忙しさを理由にして日常点検を怠らないようにしましょう。

日常点検の前に

日常点検を安全でスムーズに実施するために、以下の点に注意しましょう。

  • ・平たんな場所で行いましょう。
  • ・タイヤに輪止めをかけましょう。
  • ・パーキング・ブレーキを確実に効かせ、ギヤをニュートラルにします。
  • ・エンジンを止め、スターターキーを必ず抜き取りましょう。
  • ・走行直後の点検はやけどをするおそれがあるので、エンジンなどが冷えた状態で行いましょう。
  • ・キャブをティルトする時は操作手順に従って行います。
  • ・吸気ダクトには物を落とさないように注意しましょう。
  • ・エンジンの上に乗るときは、パイプ類、エア・クリーナなどの補機類に足を掛けないようにします。
  • ・点検、手入れ終了後は、エンジン・ルーム内にウエス(布)など燃えやすい物や工具などの置き忘れがないか、点検しましょう。
  • ・最後に全体を見渡して、オイル漏れ、液漏れ及び水漏れがないか、必ず点検しましょう。

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日常点検のチェックシート

点検前に行うこと

前日までの異状箇所をチェックしましょう。

車のまわりを1周しながら確認しましょう。

  • ・タイヤの空気圧をチェック
  • ・タイヤの亀裂・損傷・異状摩耗をチェック
  • ・タイヤの溝の深さをチェック
  • ・ディスク・ホイールの取付状態をチェック(車両総重量8トン以上の大型トラックのみ)
  • ・冷却水量をチェック
  • ・ブレーキ液量をチェック
  • ・エンジン・オイル量をチェック
  • ・バッテリ液量をチェック
  • ・エア ・タンクの凝水をチェック

キャプをティルトして確認しましょう。

  • ・ファン・ベルトの張り、損傷をチェック

キャプをおろし運転席に座って確認しましょう。

  • ・パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろをチェック
  • ・ウインド・ウォッシャの液量・噴射状態をチェック
  • ・ワイパーの拭き取り状態をチェック

エンジンを始動してから確認しましょう。

  • ・エンジンのかかり具合・異音をチェック
  • ・エンジンの低速・加速の状態をチェック
  • ・空気圧の上昇具合をチェック
  • ・ランプ類の点灯・点滅、汚れ、損傷状態をチェック
  • ・ブレーキ・ペダルの踏みしろ・効き具合をチェック
  • ・ブレーキ・バルブからの異音をチェック
  • ・ブレーキ・チャンバのロッドのストロークをチェック
  • ・ブレーキ・ドラムとライニングとのすき間をチェック

前日までの異状箇所のチェックと日常点検結果の報告

  • ・前日又は前回の運行中に異状のあった箇所の調整・修理ができているかを確認しましょう。
  • ・万一、未修理または未調整の状態にあるときは、整備管理者に再度申し入れ、対処をお願いしましょう。
  • ・日常点検を実施しその結果を日常点検表に記入しましょう。
  • ・整備管理者の判定を受けた日常点検表を、運行管理者に提出して乗務開始前の点呼を受けましょう。

タイヤの空気圧、亀裂・損傷・異状摩耗、溝の深さをチェック

点検・測定及び充填は、必ずタイヤが冷えているときに行いましょう。

  • ・目視でタイヤのたわみ具合や、タイヤ・ゲージでタイヤの空気圧の点検をしましょう。
  • ・空気圧が不良のときは、標準空気圧に調整します。
  • ・タイヤの接地面全周や側面に亀裂や損傷がないかを点検します。
  • ・また、金属片・石・その他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないかをタイヤ全周にわたり点検しましょう。
  • ・タイヤの接地面に異状な摩耗がないかを点検します。
  • ・一般道路の走行では、タイヤの摩耗限度は、残り溝の深さが 1.6mm です。
  • ・高速道路の走行では、タイヤの摩耗限度は、小型トラック用タイヤで残り溝の深さが2.4mm、それ以外のトラック用タイヤで残り溝の深さが 3.2mm です。
  • ・残り溝が 1.6mm になると、タイヤのスリップ・サイン表示位置(▲位置)にスリップ・サイン(摩耗限度表示)が現れます。
  • ・スリップ・サイン(摩耗限度表示)が現れた時は交換時期を示しているので、適切なタイヤに交換しましょう。
  • ・その他、スペア・タイヤについても必要に応じて点検します。

トラックを日々きちんと管理し、安心して業務を行えるようにしましょう。

引用参考 トラックドライバーが日常行うべき事項