今月の初め 様々なニュース番組で 高齢ドライバーについて報道されていました。

全国の死亡事故件数は減少傾向にあるものの、

75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は

最近10年以上、年間400件超の高水準を維持しており

2016年は459件で、全体の13.5%を占め、

2006年の7.4%から大幅に上昇しているというデータが発表されています。

不適切なハンドル操作や、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどが原因のケースが約3割と非常に多く

とりわけ 小さな子どもを巻き込んでしまったといった 悲しい事故も絶えません。

警察庁によると、75歳以上の運転免許保有者数は2016年末で513万人となり、

10年前と比較して倍増しています。

高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化している為

今年3月 道路交通法が改正され、75歳以上の高齢ドライバーに対し 認知機能の検査が強化されました。

この施行から9月末までの間に、

運転免許更新時や一定の違反行為をした際に行われる認知機能検査の受検者数は なんと 111万7876人

その約2.7%にあたる 3万170人 が『第1分類』とされる「認知症の恐れ」と判定されました。

その後 義務化された医師の診断により 「認知症」と診断され 674人が 免許を取り消しの対象とされ

23人が免許停止という行政処分を受けました。

免許継続となったものの、原則6カ月後に改めて診断書提出を求められたのは4326人に上ったそうです。

受信前に 医師のアドバイス等で 免許を自主返納した人は 6391人

有効期限切れや返納も受診もせず 失効となった人は 1267人 だったとのことです。

認知症予備軍、とでも言いましょうか

認知機能検査で、認知機能の低下がある『第2分類』とされる人は30万165人にも 上っていました。

警察庁は 10月に 運転免許制度の在り方などを検討する有識者会議の分科会を開催し

80歳以上の事故が「より深刻な情勢」として 80歳以上に対策の重点を置き、

自動ブレーキ搭載車に限って運転を認める「限定条件付き免許」の導入などについて18年度中に方向性を示す方針だそうです。

こういった社会問題の対策として 各自動車メーカーも様々な安全対策を強化してきています。

高齢ドライバーに限らずとも ドライバーを支援する最新のシステムを導入した自動車の開発がそれです。

そういったドライバーの認知、判断、操作をサポートし 安全を支援する先端技術のシステムを搭載した自動車のことをASV=先進安全自動車 と言います。

ASVは Advanced Safety Vehicle の略です。

平成3年度から15年以上にわたって ASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクトとして

取り組まれているのが「ASV推進計画」です。

この「ASV推進計画」を円滑に進めるため

学識経験者をはじめ 14社の自動車/二輪車メーカー、 関係団体や関係省庁で 「ASV推進検討会」も設置され 検討が進められています。

SF映画やアニメーションなどで 未来の交通を描いた作品では 全自動で動く自動車やバイクのような乗り物も登場していますが

このASVの自動車は そういった未来予想図の車とは 少々異なります。

そもそも ASVの基本理念

ドライバー支援の原則

ASV技術はドライバーの意思を尊重し、ドライバーの安全運転を支援するものです。

あくまでも ドライバー自身が主体的に、責任を持って運転する、という前提にあります。

ドライバーに過信を招かせないように配慮した設計にすることが重要です。

ドライバー受容性の確保

ASV技術はドライバーが使いやすく、安心して使えるような配慮をします。

つまり、ヒューマン・インターフェースの設計が適切に行われ

システムが行う制御にドライバーが介入できていることをいいます。

社会受容性の確保

ASV技術を搭載した自動車は、他の自動車や歩行者などと一緒に走行するので、

社会から正しく理解され、受け入れられるよう配慮します。

次回は ASVの各機能について 紹介したいと思います。

引用参考:ASV