もうすぐやってくる年末年始のお休みを利用して 帰省や旅行を計画されている方も少なくないでしょう。
自家用車での移動は どこもかしこも渋滞となったり
新幹線も軒並み乗車率100%を超えることが多いこの時期、飛行機での移動は快適ですよね。
本日12月19日は「日本人初飛行の日」という日だそうです。
1910年(明治43年)の12月19日 東京・代々木錬兵場(現在の代々木公園)で
華族であり 陸軍軍人の清水徳川家第8代当主にあたる徳川好敏(とくがわよしとし)工兵大尉が
日本初飛行をさせたことが由来となっています。
現在の一般の旅客機は 通常約1万mの上空を飛行していますが
当時の飛行時間は4分であり、最高高度は70m、飛行距離は3000mだったと言われています。
現在の飛行機のパイロットは
航空法に定められている身体検査基準を満たしている状態でなければならず
「航空身体検査証明」が必要となります。
その内容は 非常に多くの項目の検査からなっており
航空法の基準となる『視力』だけに関しても
・遠見視力
・中距離視力
・近見視力
・両眼視機能
・視野
・眼球運動
・色覚
なんとこんなにもの検査が必要となります。
私たち一般人が 健康診断で受ける「視力検査」にあたるのが「遠見視力」にあたるもので
パイロットは 下記のどちらかの条件を満たさなければなりません。
A. 各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0以上の遠見視力を有すること。
B. 各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリー(左右の視力差)を超えない範囲の常用眼鏡により
0.7以上、かつ、両眼で1.0以上に矯正することができること
つまり メガネをかけて0.7以上は必要ということになりますが
この航空法の基準をクリアしたとしても
各航空会社ごとに社内基準があり、それが航空法よりもよりいっそう厳しい基準となる場合も少なくないそうです。
また、航空身体検査は資格を取得する時だけではありません。
半年(業務によっては1年)に1度 航空身体検査を受けます。
そして パイロットという職業を続ける限りは
ずっとこの合格基準を維持する必要があります。
一方 自動車の運転免許の視力についてはどうなっているのでしょうか?
視力の合格基準は
●原付免許、小型特殊免許
両眼で0.5以上、又は一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上です。
●中型第一種免許(8トン限定中型)、準中型第一種免許(5トン限定準中型)、
普通第一種免許、二輪免許、大型特殊免許、普通仮免許
両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、又は一眼の視力が0.3に満たない方、
若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上です。
●大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)、準中型第一種免許(限定なし)、
けん引免許、第二種免許、大型仮免許、中型仮免許、準中型仮免許
両眼で0.8以上で、かつ、一眼がそれぞれ0.5以上、さらに、深視力として、
三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により3回検査した平均誤差が2センチ以内です。
また 一般的な視力検査の他に モザイク柄に数字や記号がぼんやりと隠れているような円形を見たことがありませんか?
これが色覚検査になり 「石原式色覚異常検査表」と呼ばれています。
この検査表を用いて 運転免許試験場では「赤、黄、青」が判別できれば免許を発行しています。
こういった色覚検査で「第二色覚」といわれる方は 緑が見えにくい軽度の異常とされる方になります。
しかしながら 日本の信号機は国際規格の範囲内で、なるべく青に近づけるよう工夫されているので見やすくなっていたり
信号の配列や、青・黄・赤の明度によっても違いが分かりやすくなっているそうです。
一方、特に注意が必要なのは、「第一色覚」と診断された方の場合です。
第一色覚の方は
緑と黄色は見えますが、赤が暗く見えてしまいます。
赤が見えにくい強度の色弱は信号機が見えにくく、赤と青の判別がつきにくいでしょう。
信号機の点灯も「青・黄・黄」に見えているという可能性もあるそうです。
前方の車のブレーキランプ、赤で記された標識なども多く存在しており、
その方々は 点灯のタイミングなどでも 信号の判断をされているようです。
こういった 色覚に異常があるという方は
実に 男性の20人に1人(5%)、女性の500人に1人と言われています。
たとえ視力に自信がある方でも どんな方でも
ハンドルを握る以上は 飛行機のパイロットと同様 安全が最優先です。
歩行者にも 同乗者にも 優しい運転を心がけましょう。
引用参考:色覚異常の方の世界