広がる女性の職場
近年、働く女性たちの職場や職種が広がってきています。
以前はOL、いわゆるオフィスレディが主流でした。企業の受付やお茶出し、事務作業など、内部で働く女性の多いことは、言うまでもないことですね。
しかし、現代においてはむしろ、外へ出ていく女性が増えてきました。
例えば営業職などの、お客様と密接に関わる仕事です。そういえば、と思い当たる方も多いのではないでしょうか。
なかでも、国土交通省認定の女性の職業〈トラガール〉は世界的に話題となっています。
『NHK WORLD』などで取り上げられています。(タイトル〈Women at the Wheel〉動画時間4分弱)
〈トラガール〉とは、女性トラックドライバーのことです。国土交通省公認の〈トラガール〉という愛称は、今それだけ女性の職種が注目されてきている、ということであるとも言えます。
埼玉県トラック協会パンフレット
さて、埼玉県トラック協会から、とあるパンフレットが発行されています。今回はその中身について紹介しましょう。
タイトルは『さいたま トラガール アルバム』です。3人のトラガールへのアンケートが載っています。
Q、トラックドライバーになったきっかけは? A1、興味がある職業でしたが、普通免許なので諦めていましたが、新普通免許で運転でき、バックアイまで装備されている車両があったので。 A2、父がタクシー、母が生協のドライバーと車家族であり、車大好き。大きな車に乗りたかったので。 A3、運転が大好きで、「トラックに乗りたい」との気持ちから。トラックを通じて「人」と「人」を繋げる仕事だと思ったから。
意外ときっかけはバラバラですね。車や運転に興味のある方が多いのかもしれませんが、職業選びで考えてみると、興味のあるものに惹かれることはごく一般的な選択だと思います。
なにより、新普通免許のきっかけで転職されたという方は多いのではないでしょうか。また、はじめてのトラックでも、バックアイがあれば安心ですね。
Q、普段はどんな車で、どのような品を運んでいますか? A1、2tトラックで食品の輸送を行っています。 A2、2tトラックで、書籍・ダイレクトメールを取次店や企業に配達。 A3、4t冷蔵庫、青果品を含む食料品全般
私たちの身近な食品類やダイレクトメールを、女性が届けてくださっていると考えると、なんだか感慨深いものがあります。
とくに食品類に関しては、主婦であるトラガールの方も多くいらっしゃるので、安心という意味では類を見ないですね。最近は男性でも、料理をされている方が増えてきていますので一概には言えないですが。
Q、仕事のやりがいをどのような所に感じますか? A1、お客様から『頑張ってね!』と声を掛けられた時に『やってて良かったな~』と感じます。 A2、届け先に到着し荷台の扉を開けた際、荷崩れしていない様子を見た時、指定時間に配達できた時に無事に届けた満足。もちろん、お客様のご苦労様の一言。 A3、配送先で「おはよう」「こんにちは」「がんばって」と声を掛けられた時。運行管理者資格の取得後は、ドライバーが無事故で帰社した時。
やはりお客様からの一言は、大きな励みになるようです。直接お声を頂くことは、今の世の中では貴重ですよね。
Q、将来の夢は? A1、清水運輸は資格取得の支援をしてくれるので、大型免許を取得し憧れだった10tトラックに乗務したいです。 A2、これからも、無事故無違反でこの仕事を続けること。 A3、女性の社会進出において、トラック業界でも女性が安心して活躍できるよう、職場環境の改善に貢献したい。
資格取得の支援は、希望がある方や検討している方にとって、非常に有益です。
「そこまでトラックは大きくなくても良いかな」というトラガールでも、実際に乗り始めてみると「もうちょっと大きいトラックも有りかも」なんて気持ちが変化するかもしれません。
いざそうなった時、資格支援制度は大切ですよね。
もちろん、無事故無違反も大切です。
Q、ドライバーに興味を持っている人へのアドバイス! A1、頑張れば頑張っただけ悦びもあり、この業界の先輩は丁寧に教えてくれる人たちばかりなので、是非頑張って下さい。 A2、女性が少ない職場なので、周りが親切・気を使ってくれる女性に優しい職場。女性であればこその仕事があります。 A3、女性には体力的なハンデもあるかもしれませんが、自分なりにステップアップできる仕事です。私と一緒に、頑張りませんか。
男性と女性には当然、体力や体格面での差があります。しかし、違うからこそ、異なった着眼点で物事を進めることができます。
違うからといって諦めるのではなく、違うことを武器に、トラガールとしてキャリアアップしていく女性が多いのでしょうね。
女性の職場はオフィスだけに留まりません。
女性の職場は、外に世界に、まだまだ広がっていくのです。
参考引用資料
埼玉県トラック協会「さいたま トラガール アルバム」