これから社会人となる皆さん、あるいは転職や再就職をめざす皆さん、様々な方がいらっしゃるかと思います。
トラック運送業界への就職をめざす方へ、現代のトラック運送業界についてお話します。
さて、トラック運送は、暮らしに身近な食料品や生活用品はもちろんのこと、工業製品から巨大な建設資材まで、生活や経済にかかわる大半の物資を運んでいます。
まさに物流の主役ですね。
なかでも、輸送のプロフェッショナルとしてさまざまな分野で活躍しているのが「営業用トラック」です。
近年では、単に物を運ぶだけでなく、製品や資材の流通加工や在庫管理も含め、物流関連事業として幅広い事業展開を図るトラック運送事業者も増えています。
トラック運送業界は、わが国の高度な経済活動屋豊かな国民生活に大きく貢献しながら、その活動の場を拡大し続けています。
トラックの性能や装備も、年々向上し、充実が図られています。
最新の大型トラックは、オートマチック変速機やエアサスペンションをそうびするものもあり、操作性や乗り心地も大きく進歩しています。
さらにデジタルタコグラフやドライブレコーダーなど、安全性や環境対策に優れた装備の導入も進みつつあります。
人や荷物にやさしく、環境保全を実現するトラック輸送を目指し、さまざまな取り組みを積極的に行っています。
輸送の主力は緑ナンバートラック
トラックには、営業用トラックと自家用トラックの2種類があります。
営業用トラックは、貨物運送を目的に国土交通省から営業を許可されたトラック運送会社のトラックであり、緑地に白い数字のナンバープレート(緑ナンバー)が特徴です。
自家用トラックは、企業やお店などが自分の荷物を運ぶため使っているトラックで、ナンバープレートは白地に緑の数字(白ナンバー)になっています。
わが国で登録されているトラックの台数は、約878(平成17年度末)。
このうち営業用トラックの占める割合は15.9%ですが、トラック全体の年間総輸送量に占める営業用トラックの割合は58.4%(平成18年度)であり、トンキロでは87.2%の輸送を担っています。
また、営業用トラックは自家用トラックに比べ輸送効率が約29倍高いため、環境負荷の低減や省エネなどの観点から、自家用から営業用への転換が求められています。
トラック自体の性能が上がれば、周囲の環境はもちろん、ドライバーにとっても安全です。
また、わが国の物流ニーズは、経済や暮らしの持続・発展とともに拡大してきています。
そして、経済活動屋人々の暮らしがあるかぎり、物流ニーズが途絶えることはありません。
トラック輸送産業は、将来にわたって安定的な人材ニーズがある数少ない業種であるといえます。
年々ネット販売が増えてはいますが、最終的に個々の家へ物を運ぶのは、やはりトラックなどの大型車ですよね。
トラック輸送業界のいま
わが国の国内貨物輸送量の90%以上を、トラック輸送は担っています。
トラック輸送業界は、産業経済にかかわる資材から生活必需品まで、日本経済と私たちの暮らしを根底から支えています。
トラック輸送は貨物輸送の主役です。
平成18年度の国内貨物輸送量は、約54億トン。
そのうち、91.4%にあたる約50億トンの貨物を運んでいるのがトラックです。
市場規模は、トラック、鉄道、内航海運、航空など物流事業全体でおよそ20兆円であり、トラック運送業界はそのうち13兆717億円に上ります(平成16年度)。
昭和50年度(2兆9960億円)と比較すると、約4倍以上に拡大しています。
国土が狭く都市部に人口が集中するわが国においては、ドア・ツー・ドアの利便性を生かして、縦横無尽に走り回るトラックへの依存度はますます高まる傾向にあります。
輸送効率と土地を同時に考えると、やはりある程度小回りの利くトラック輸送が優秀であるといえるでしょう。
経済と暮らしを支えるトラック輸送
トラック輸送産業は物流の基幹産業として、わが国の高度な経済活動や豊かな国民生活を根底で支えています。
とくに食料品や日用品などの生活関連物資は、そのほとんどがトラック輸送によるものです。
消費者にとって最も身近な輸送サービスである宅配便は、平成18年度には郵便小包の約11倍にあたる29.4億個を運んでいます。
サービスメニューに合わせて多様化してきており、引越輸送とともに多彩なサービスで私たちの暮らしを支えています。
先程も述べたように、近年はネットの通信販売が非常に活性化しています。
店舗に行かなくても物が購入できる便利さは、多くの方が一度は利用したことがあるのではないでしょうか。
個々の自宅へお届けするという、場所の変化はありますが、物流の仕組みは変わりません。
トラック輸送は今後も、さらに多くの人に利用されていくでしょう。
こうしたことから、トラックドライバーの求人は年々増えていく理由が分かります。
現代社会の物流を支えているのは、トラック輸送であり、トラックドライバーの方々なのです。