トラック走行時、積荷に合わせたロープを選択することが大切です。
また、そのロープの点検を必ず行うようにしましょう。
合繊ロープの種類・太さ別安全荷重
合繊ロープの強度は、太さ(径)だけでは判断できません。
同じ径であっても柔らかでボリュームだけあって強度の低い合繊ロープもあるので、単位あたり重量が規格以上あるかを確認することが重要です。
合繊ロープの張力
人力で掛けた場合のロ−プ張力(ナンキン1段締めの場合)
慣れたドライバ−が全力を集中してロ−プを締めた場合
約110kgf
慣れたドライバ−が普通に締めた場合
約70kgf 〜80kgf
ドライバ−以外の不慣れの人が締めた場合
体重75kg の人で約60kgf
体重50kg の人で約35kgf
走行時の振動によるロープの張力低下
貨物を積載して走行すると車体の振動により、積荷自体も振動して、
・ロ−プの結び目が固くなる。
・積込み時にあった積荷と積荷の隙間が詰められたり、逆に開いたりする。
等のことから、ロ−プの張力は約40〜50%減少します。
合繊ロープの結び方
合繊ロープの結び方には、さまざまな結び方があります。
ロ−プの基本的な締め方の例
作業の手順
れたロープの自己の胸元のところで輪をつくりましょう(左手で)。
直径 5cm 位が目安です。
小さ過ぎても大き過ぎても外れ易いです。
締める時に引きしろがなくなります。
輪のすぼんだところで輪をロープに重ねましょう。
手を上に伸ばした位置です。
引っ張りしろをとりましょう。
重ねた根元で強く左手のロープを輪にかけて締めます。
根元で締めないと締めにくいので注意しましょう。
強く巻いておかないと次の手順でゆるんでしまいます。
結び目を左手に持ちかえ、垂れたロープを大きい輪に通します。
垂直方向に体重をかけてロープを締めましょう。
2つのフックに掛ける場合
ロ−プを掛けたとき、積荷の形状によって、ロ−プの先端がフックとフックの間にくることがあります。
合繊ロープ使用時の注意
合繊ロープはワイヤロープに比べて科学的、物理的に影響を受け易く、また『ヨリ』がもどった場合の強度低下が大きいから注意しましょう。
ゆっくり引張っても切れぬ合繊ロープもゆるめて置いて急に引張るとたやすく切れ易いです。
鋭い角のある物体に合繊ロープを掛けて力を加えると、外側の繊維は大きな伸びを必要とし切れ易くなります。
できれば鈍角になるような物を当てがうようにしましょう。
雑貨などに合繊ロープを掛ける場合は、足元に注意し、ロープが重なったりよじれたり、または外れないように注意しましょう。
合繊ロープを外す時は、荷物の安定を確かめてからゆるめます。
合繊ロープを引き抜く時は、無理をしないようにしましょう。
合繊ロープのよじれはすぐなおしておきましょう。
ロープをロープの『ヨリ』と同方向に何回もヨルことはキンクができるので絶対に避けましょう。
合繊ロープ使用後の手入れ
常に乾燥しておき、次の作業に最良の状態で使用できるようにしましょう。
濡れた合繊ロープは日陰で乾かします。
もし濡れたままだと『カビ』等を生じて早く腐食してしまいます。
汚れた合繊ロープはきれいにしましょう。
真水で洗いよく陰げ干しして保管しましょう。
汚れたままだと撚り糸(ストランド)や繊維を傷めます。
酸性、アルカリ性のものは合繊ロープには禁物です。
バッテリ液、洗剤、ペイント等も同様です。
ワイヤロープ
キンクの生じるおそれのある箇所および著しい曲がりぐせのある箇所はすぐ直しておきましょう。
雨水にさらされたり、錆やほこりの多いところで使用したときは、錆や油切れのないよう、きれいにふき取り、手入れをしておきましょう。
ワイヤロープの掛け方による強度低下
ワイヤロープも結んだり引っ掛けたりして使用すると、強度は低下するため注意が必要です。
ワイヤロープの取替え基準
使用前・使用後、常に点検し、異常のあるものは取り替えましょう。
積付け・固縛機器取扱いの注意
・検査項目
・検査結果
・処置・備考
磨耗
ワイヤロープの径が公称径の7%を超えて減少したものは使用してはいけません。
取替えを行いましょう。
素線の切断
1よりの間で素線数の 10%以上の素線が切断したものを使用してはいけません。
取替えを行いましょう。
よりもどり
よりもどりで、心鋼の露出したものは使用してはいけません。
取替えを行いましょう。
アイスプライス(さつま)
編組み部の不完全なものは取り替えなければなりません。
アイスプライス(さつま)の環部の変形の著しいものは使用してはいけません。
取替えを行いましょう。
キンク
キンクしたものは使用してはいけません。
取替えを行いましょう。
変形
変形(形くずれ)が著しく、心鋼の露出したものは使用してはなりません。
取替えを行いましょう。
錆・腐食・油切れ
錆、腐食、油切れの著しいものは使用してはなりません。
取替えを行いましょう。
ロープの結び方は慣れるまでは複雑ですが、先輩トラックドライバーの方に教わりながら覚えていきましょう。
積荷をしっかり縛り、トラックを安全に走行しましょう。
引用参考 安全輸送のための積付け・固縛方法