トラック走行中、目の前や付近で事故が発生することもあります。
二次被害を出さないために、もしもの時の対処法を覚えておくことが大切です。
二次事故の防止措置
後続事故の防止のため、他の交通の妨げとならないような場所(路肩、空地等)に車両や落下物を移動させましょう。
車両や落下物の移動が困難な場合は、停止表示器材や発煙筒を用いて後続車に事故発生を知らせます。
停車したら、まず停止表示器材を取り出し、車の後方の路上に置きます。
高速道路の場合は、スピードと制動距離の関係を考えて、少なくとも車両の後方50m以上が望ましいです。
車両の直後に置くとハザードの点滅灯に打ち消され、かえって発見されにくいです。
負傷者の救護
出血しているときは、ガーゼやハンカチ、また薄手のゴム手袋などで止血するなど応急手当をします。
むやみに負傷者を動かさないようにしましょう(とくに頭部に傷がある場合)。
ただし、後続事故のおそれがある場合、または、高速道路では安全な場所に移動します。
現場の警察官への報告
110番等(高速道路等では非常電話1km おきに設置)で次のことを報告し指示を受けましょう。
とくに、最近携帯電話による事故通報が多いが、事故発生場所が確認できず困る場合が増えているので、携帯電話を用いる場合、高速道路ではキロポストを確認し、一般道路では付近の目標物を確認し、その内容を現場の警察官等に通報するようにしましょう。
・事故が発生した日時、及び場所
・車種と事故状況
・死傷者の数及び負傷者の負傷の程度(状況)
・物の損壊の程度、積荷の落下、バラマキ等の状況
・事故防止のため講じた措置
道路管理者及び運行管理者または事業者への報告
・事故が発生した日時、及び場所
・死傷者の数及び負傷者の負傷の程度(被害者の住所、氏名、年齢)
・車両や積荷の損壊、バラマキの状況
積載物、車種と車両制限令との関連
トレーラ連結車の総重量の特例の引上げ
平成15年10月より、安全性を確保しつつ物流を効率化するため、分割可能な貨物(いわゆるバラ積み)の輸送に関して、特殊車両通行許可の許可限度重量の引き上げと基準緩和の認定が受けられるようになりました。
平成15年の規制緩和の内容とは、
A.通行条件の規制緩和として
「特殊車両通行許可の許可限度」が引き上げられ、バラ積み輸送する基準緩和セミトレーラについても、連結車両総重量44トンを上限とし、必要な条件(B条件等)を附して通行が許可されるようになりました。
B.車両本体の規制緩和として
「基準緩和自動車の認定要領」が変更になり、バラ積み輸送する基準緩和セミトレーラについて、輸送物品の重量に応じ、車両の構造・装置の限界および車両総重量36トンを超えない範囲で、基準緩和の認定が受けられるようになりました。
(幅および長さの基準緩和車両は規制緩和の対象になりません。)
C.この規制緩和は、バラ積み輸送する特殊車両(特例8車種)に限られます。
D.上記の条件を満たし、特殊車両通行許可証の交付を受けることが前提となります。
通行条件の規制緩和として(特殊車両通行許可の変更関係)
トラクタ+セミトレーラを連結した状態
一般道路における規制緩和
分割可能な貨物を積載する特殊車両(特例8車種)の許容限度重量については、現行のA条件(条件を附さない)の範囲から、今後は、44トンを上限として、必要な条件を附して通行可能とします。
高速自動車国道等における規制緩和
分割可能な貨物を積載する特殊車両(特例8車種)の許容限度重量については、現行のA条件の範囲から、今後は、一定の要件を満たす場合は、44トンを上限として通行可能とします。
セミトレーラ単体の状態
基準緩和自動車の認定関係
従前は、長大又は超重量物で分割不可能な単体物品の輸送のみ可能です。
変更後は、上記に加え分割可能な貨物についても、車両総重量36トンを上限として、基準緩和の認定が可能となりました。(特例8車種に限る。)
基準緩和の認定には、2年の期限が付されます(更新可能)。
新たな基準緩和認定を受けた場合は、最大積載量の変更を生じ「構造等変更検査」を受けなければなりません。
自動車検査証への記載
最大積載量、車両総重量への記載が次の3パターンになります。
「単体物品緩和+バラ積み緩和」の場合(新たな二段書き)
最大積載量:バラ積み緩和状態(単体物品緩和状態)
車両総重量:バラ積み緩和状態(単体物品緩和状態)
「単体物品緩和+基準内」の場合(いわゆる二段書き)
最大積載量:基準内状態(単体物品緩和状態)
車両総重量:基準内状態(単体物品緩和状態)
「バラ積み緩和のみ」の場合
最大積載量:バラ積み緩和状態
車両総重量:バラ積み緩和状態
[特殊車両(特例8車種)]
特殊車両の特例8車種とは下記の車両に限られます。
・バン型
・自動車運搬型
・あおり型
・コンテナ型(海コンを除く)
・タンク型
・幌枠型
・スタンション型
・船底型
事故を起こさないための法令や、事故後の対策、二次被害防止方法の周知など、さまざまな対策が取られています。
事故が起きないことが第一ですが、災害時などは避けることが難しい場合もあります。
これらのことをしっかりと認識し、トラックドライバーとして活躍しましょう。
引用参考 安全輸送のための積付け・固縛方法