安全運転にはエコドライブが欠かせません。
一企業としてエコドライブを行うための方法を確認してみましょう。
具体的な推進目標の設定
1、全社的な燃料消費量節減目標の設定
取り組みの初期段階では、全体に共通する目標として例えば「燃料消費量を対前年比10%節減する。」などの取り組み可能な範囲で判りやすい目標を設置することがポイントです。
(例)前年度 年間軽油総消費量○○千 kℓの10%を節減する。
2、グループ別及び個々の車両別の燃費改善目標の設定
さらに、グループ別及び個々の車両別の燃費改善目標を設定するためには、前年同期などの実績を把握し、こうしたデータにもとづいて目標値を決めてドライバーに示すことが必要となります。
エコドライブの推進
1、ドライバーへの教育
ドライバーにエコドライブの基本的知識や運転テクニックなどを習得してもらうため、指導を行います。
2、日常のドライバー指導の方法
チェック表による指導方法
研修終了後も引き続きエコドライブの取組み重点項目などを定め、ドライバーから日々の自己点検報告を受けたり、必要に応じて管理者がアドバイスをするなど継続的に実施状況の確認を図る必要があります。
3、グループ活動によるエコドライブの推進
推進担当者とドライバーによる8人前後のグループを作り、グループに対する評価基準を設けるなどして、ドライバーが取組み意欲を持続できるような仕組みを作ります。
4、指導員による添乗指導
推進担当者の中から、エコドライブ指導員を選んで、各ドライバーに対して3ケ月ないし6 ケ月に1回程度、『エコドライブ添乗指導票』に基づき、添乗指導教育を実施します。
車載器を活用したエコドライブ
ドライバーに対し、エコドライブを指導する際は、急発進、急加速及びアイドリング時間など走行データを把握することにより、自分の運転特性を見直させることが大変重要です。
その運行中の走行データを取得できる機器としては、運行記録計やドライブレコーダーなどがあります。
アナログ式運行記録計(アナタコ)
チェック項目
速度記録
瞬間速度を記録します。
・車速が速すぎないか
・車速の変化が大きくないか
・一定速度で走行できるルートで、車速変動は± 5km/h 幅以内に納まっているか。
なお、交通の状況、時間帯等での変動があることや車速を無理に合わせようとするとアクセルペダルのバタツキを生じる場合があります。
回転記録
瞬間エンジン回転数(r.p.m.)を記録します。
・エンジン回転が高くないか
・エンジン回転の変化が多すぎないか
・長時間アイドリングしていないか
走行距離記録
走行距離を山形の線で記録します。
1、車速の変動
細かい分析では、加速の仕方や減速の仕方(急加速や急減速)もわかりますが、簡易的に、車速の変動で運転の様子を読み取ることができます。
一定速度での運転が可能な区間の走行と思われる範囲で加減速の巾が大きくないか(概ね5km/h の範囲)を見ます。
2、エンジン回転数の変動
車速に対するエンジン回転数の高さや回転数の変動の巾を見ます。
又、エンジン回転を「グリーンゾーン」を中心に使っているかどうかもエコドライブの目安になります。
3、長時間のアイドリング
出発前の暖機運転や、昼食、休憩などの長時間停車時などで、アイドリングが長くなっていないかをチェックし、不要なアイドリングと判断できるものは抑制するように指導します。
デジタル式運行記録計(デジタコ)
デジタコの解析ソフトから得られる具体的な数値と燃費数値を用いて、エコドライブの分析・指導を行います。
チェック項目(例)
※デジタコから得られる項目はメーカーによって異なります。
1、走行時間
休憩時間、アイドリング時間を除く実走行時間
2、走行距離
上記時間に対する走行距離
3、平均速度(一般・高速)
走行距離/走行時間で算出
4、最高速度(一般・高速)
一般・高速道路別の最高速度
5、速度オーバー時間(一般・高速)
車種に合わせ、一般道路・高速道路における適切な速度基準値を設定
6、速度オーバー回数(一般・高速)
速度オーバーで走行した回数
7、エンジン回転オーバー時間(一般・高速)
グリーンゾーンの上限回転数をオーバーした時間
8、エンジン回転オーバー回数(一般・高速)
グリーンゾーンの上限回転数をオーバーした回数
9、急発進、急加速、急減速回数
急発進、急加速の回数を検出するための適切な急加速度、急減速度を設定
10、アイドリング時間
運行状況に応じ不必要なアイドリングを検出するための時間を設定
11、連続走行時間
駐車、交替等で運転を中断しない時間(いわゆるハンドル時間)
12、燃費
給油量等の記録(燃料消費量)及び走行距離から日常の燃費を算出、管理する
以上のように、エコドライブ計測にはたくさんの指標があります。
数値ももちろん大切ですが、なによりもトラックドライバーの方の「安全運転をしよう」といった気持ちがとても大切です。
安全運転かつエコドライブでトラックを運転しましょう。
引用参考 エコドライブ推進マニュアル