トラックドライバーとして走行時の守るべきポイントは掴めてきましたか?
トラックやトレーラーは車体も大きいですから、どのような場所であっても安全運転を行いましょう。
走行時の注意
トラックは一般の乗用車などと比べ、車体が大きく重い荷物を運ぶので、一旦事故を起こすと重大事故につながりかねません。
このためトラックの運転者は運転技術の向上に加え、知識・マナーなどを心得るように努めています。
また、道路を運転するときには、特に安全に細心の注意を払っています。
視界・視野
普通の乗用車と比べて運転席が高く、車体全体が大きいので、普通の乗用車と比べて視界・視野が大きく異なります。
車幅
乗用車に比べて車幅が広いので、細い道などですれ違うときは注意して運転しています。
内輪差
自動車が曲がるとき、後輪は前輪と比べて内側を通ります。
特に曲がるほうのタイヤの前輪と後輪の通り道の幅の差を内輪差といい、車体の長いトラックはこの内輪差が大きくなります。
運転者は内輪差を考えて曲がるように気をつけています。
揺り戻し
荷物が液体の場合、カーブの時には重心が移動して転倒することが無いよう細心の注意をはらって運転しています。
また急ブレーキや急加速のときに積荷が片寄りそれが波になってタンク全体に大きな負荷がかかります。
急ブレーキを踏むと車体が止まった少し後に、積荷が前に押し寄せて、衝撃が来るので、このようなことが無いような運転に努めています。
トレーラのジャックナイフ
急ブレーキなどが原因でトラクタの部分とトレーラの部分が、くの字に曲がってしまうことをジャックナイフ現象といいます。
重大事故につながる可能性があるのでトレーラの運転者は常に急ハンドル・急ブレーキをしないように心がけています。
貨物の積載方法
荷物を積んで走る場合は走行中に荷崩れをしないように固縛が必要です。
また、トラックは荷物の積み方次第で不安定になるので安全運行ができるよう適切に荷物を積み込んでいます。
危険物
トラックは暮らしや経済活動に必要不可欠な危険物や毒物なども運びます。
ある一定以上の量の危険物や毒物などを運ぶ場合は危険物や毒物などを積んでいる旨のマークをトラックの前後に表示しています。
危険物は火災の危険を防止するため、毒物および劇物は保健衛生上の危害を防止するため、高圧ガスは高圧ガスによる災害を防止するためにそれぞれ、輸送の方法が法律で決められています。
危険物
強い酸化性があるもの、燃えやすいもの、自然に発火するもの、水と接触して発火するものなどです。
具体的には以下のようなものがあります。
危険物の種類(消防法別表より抜粋)
種別/ 品名/ 性質
第一類/ 塩素酸塩類/ 酸化性固体
第二類/ 赤リン/ 可燃性固体
第三類/ ナトリウム/ 自然発火性物質および禁水性物質
第四類/ 第一石油類/ 引火性液体
毒物および劇物
毒物および劇物には以下のようなものがあります。
塩素
ニトロベンゼン
発煙硫酸
黄リンなど
(毒物及び劇物取締法別表より抜粋)
高圧ガス
高圧ガスには以下のようなものがあります。
酸素ガス
水素ガス
プロパンガスなど
環境対策
低公害車
CNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)車
圧縮天然ガスを燃料として走る自動車です。
排ガスはほとんどが水蒸気と二酸化炭素です。
二酸化炭素の排出量がガソリン車より2~3割少なく、黒煙が出ないといった利点があります。
中小型トラックで普及しています。
ハイブリッド車
電気モーターとその他の動力(ディーゼルエンジンなど)を組み合わせて走る自動車です。
電気モーターで走る分、燃料の消費を抑えることができます。
中小型トラックで普及しています。
DME(Dimethyl ether:ジメチルエーテル)車
ジメチルエーテルを燃料として走る車です。
ジメチルエーテルは燃やしても黒煙やPM(粒子状物質)がまったく出ません。
事業用トラックとしては、まだ試作段階にありますが、今後の普及に期待がかかっています。
新長期規制(平成17年排出ガス規制)
ポスト新長期規制(平成21年、22年排出ガス規制)
世界最高水準の厳しい排出ガス規制となる「ポスト新長期規制」が制定され、新車のディーゼル車等に対し、平成21年10月から順次適用されています。
トラックは生活に必要なガスなどの危険物を運ぶこともあります。
自身が運んでいなくとも、周囲のトラックは危険物を運んでいるかもしれません。
さまざまなパターンを想定して走行しましょう。
引用参考 トラック早分かり